都市の居場所1 マンション食堂
少し前のことになるが、職場でも話題になっていた、「マンションの共同食堂」がNHKでとりあげられていた。
朝ごはんの現場 人気!マンションの共同食堂|けさのクローズアップ|NHKニュース おはよう日本
私は、同じマンションに住んでいる人と、ほぼ顔を合わせることがない。どんな人が住んでいるかも知らない。よく考えると不気味な状態だ。この共同食堂があれば、なんとなく顔見知りになれ、ゆるいつながりを作れる。
マーケティング・アナリストの三浦展さん曰く、今は「共食の時代」だとのこと。晩婚によるおひとり様や、パートナーに先立たれた高齢者など、単身の人が増加するに伴って、誰かと食事をともにしたいというニーズが増えるという。そんなニーズも、この食堂は応えてくれる。(私も夜の、ぼっち飯が続くと気持ちが折れる。)
マンションの住民しか入れないという、パブリックとプライベートとの中間くらいの雰囲気もいい。利用者もここで家計簿をつけたり、気負わない使い方ができる。さすがに、スタバで家計簿はつけられないだろう… 従来なら、家で行っていたことを、少しはみ出して外で行う。そんなふうに、ライフスタイルもちょっと変えてしまう。(そもそも朝ご飯を外食化するというライフスタイル変化も起こす。なんて言ったって、1汁3菜で100円なのだ…!)
こんな「ゆるい居場所」が増えていくといい。
商店街のあり方
いかくんサラダを作ろうと思い、商店街の金物屋にスライサーを買いに行った。(これがけっこう美味しい…おつまみでお馴染みの"いかくん"とセロリ、新玉のスライスを、レモン汁+ポン酢や麺つゆ+ごま油で和えるだけ。※いかくんは、イカ君ではなくイカ燻製)
話は、サラダではなく、金物屋である。
お会計をする間に、店主曰く…「百貨店とかのさ、スライサーの実演販売って見たことある?…え?ない?じゃ、今度見て欲しいんだけどさ〜、実演販売でイイと思って買うでしょ?でも家で使っても上手くスライスできないのよ。それは何故かというとさ〜、実演販売でよく見てみるとわかるけど、スライスする前に野菜を水に浸けてるのよ。家庭の冷蔵庫に入れておいた野菜は乾いちゃってるからね、だから、上手くスライスできないの。でも実演販売中に、そんなこと言ってくれないからね!野菜はスライスする前に必ず水に浸けてね!…え?どれ位浸けるかって?5〜10分でいいよ。じゃあね!!必ず水に浸けてくださいよ!」
野菜を水に浸ける…、ただそれだけのアドバイスではあったが、すごく得した気分になって店を出た。
コミュニティデザイナーの山崎亮さんも言っていた。商店街の店はコンシェルジュになるべきだと。布団屋は、布団を売るのではなく、街の睡眠コンシェルジュとして悩みを聞き、睡眠に悩む人のコミュニティの場になるべきなのではと。そうでなければ、商店街は生き残れないのではと。(つい先日、私も検索・比較ができ、割引しているECで布団を買った)
商店街はコミュニティまたはサロンに。店主はコンシェルジュに。
そんな商店街のあり方があるのかと思う。
商業視察6 渋谷CAST
2017/4/28 金曜日にオープンした渋谷キャストを見てきた。
実は、本丸であるシェアオフィスやレジデンス部分は見られていないので、この施設の核心はつかめていないのかもしれない。(入居者した方の話を聞いてみたい…) 店舗は、カフェ併設アパレル、レストラン、食品スーパーと、カフェが入っている。
ギンザシックスと同じで、アパレルにカフェが併設されている。一緒に行った空間プランナーの方曰く「内装は質の良いものを使っていて、テーマ性を感じる」と好評価。シェアオフィスに入居するクリエイター達も好きなテイストなのか…今後の使われ方も見てみたい。(もう少し、アパレルとカフェが融合していてもいいのではという気もするけど…)
<ここが良かった その1>
食品スーパーはおひとり様も使いやすいような惣菜、弁当が揃っている。自分が入居者だったら毎日使いそう。
<ここが良かった その2>
道路に面して広場が作られていた。キッチンカー等もあって、渋谷での憩いの場になりそう。不動産的な理由でセットバックしたのかもしれないが、それでも、この広場は街の中で上手く役割を果たしそう。
商業視察5 グランスタ/グランスタ丸の内 第2期開業
2017/4/27 木曜日に開業した東京駅のグランスタ第2期を見てきた。
駅でニーズのありそうな、花屋、ワイン、コスメ、靴下(飲み会を前に靴下に穴が空いてないか気になるのは私だけではないはず)などが揃っている。
さらに、鉄道をモチーフにしたグッズの店も。
それにしても、文具はアリだと思うが…(あ、客先に行くのにペンを忘れた!とか)
「明日のホームパーティーにルクルーゼのお鍋を使いたいわ~。アラッ、こんなところにルクルーゼが!」というのはなかなか無いのでは。「今日の晩御飯に、ちょっと変わったスパイス買えた~」はあるかもしれないが。ただ、スパイスと出合おうにも、狭い店内に所狭しと商品が並んでいるので、パッと商品が目に入ってこない。一生懸命探す…ということになるのだが、駅の店舗は目的地として来るよりもフラッと来る人が多いはずなので、パッとわからなければ諦めてしまうのではないだろうか。
さらに、時計、バッグ、革小物の店があったが…駅で通りかかって2万、3万円のものを買うのだろうか、と疑問になる… エキナカの価格帯は、スーパーの低価格でも、百貨店の高価格でもない、中価格(2000円~3000円程度)が中心なのである。
一方で、ちょっとしたおしゃれグロサリーを売っている店は、商品や価格は駅にも合っているように思えるのに、何故か人が入っていなかった。違う日に見に行った際にも居なかった。何かあるのかもしれないけれど、これは今後、考察していきたいと思う。
全体的な印象としては、駅にある必然(=消費者の駅でのニーズ)が薄いのではと感じた。またこれからの状況も見ていければと思う。
大学生の好きなブランドの話
上司の話:
大学生に好きなブランドを聞いたら、「FUDGE」という回答だった…。
さらに聞くと、そのほか挙がったのは、「NIKE」「アンドロイド」「ステッドラー」「Bianchi」…など。かつてブランドといえば第一想起にはハイブランドやアパレルが上がってきたのではないかと思うが、学生達の回答はまさに今の時代さながら。
ifsでも、今の大学生の世代は、友達が情報源で、服は友達とのつながりを演出する一つのツールになっているとしているが…
最大公約数的状態をはみ出さないLINE世代 | 伊藤忠ファッションシステム株式会社 | itochu fashion system co.,ltd.
5年後にはポストバブル世代の子どもがいよいよ消費の自由裁量権を獲得する | 伊藤忠ファッションシステム株式会社 | itochu fashion system co.,ltd.
グループインタビューでも、最近は、好きなアパレルブランドを聞いても、名称がなかなか出てこない。
そんな時代のSCは、「いいショップ」「いい商品」を訴求しても、生活者には響かないのではないか。そんなことを改めて感じる話だった。
銀座が私を呼んでない
平日(金) PM20:00、GINZA SIXを再訪。
まずはコスメフロアへ。
コスメには珍しい気がするが、百貨店のブランドのような雰囲気で店舗ごとに区画されている。
「すみません、ちょっと見たいだけなんです…一見さんですが、お邪魔してもよろしいでしょうか?!」の境地。いきなりアウェー感で、ちょっと涙ぐむ。
_(:3 」∠)_
虎穴に入らずんばコスメを得ず!某ショップに入店。が、店員さんから押されもせず引かれちゃってる…状態。(閉店30分前だから?)小心者の私はいたたまれず、フロアを後に…
続いてレストランフロアへ。某コンサルの方曰く、やや苦戦しているようだとのことだけど、果たして…?
店先に書かれているメニューを見たところ「コース6000円~」(!) 「ぼっち」にはハードルが高い…またもやアウェー感。「銀座大食堂」がフードコートのような雰囲気なので行ってみる。が、ほとんどの店舗は、それぞれ巨大な暖簾がかかっていて外からは見えないようになっている。店先にも写真付きメニューなどは置いていない。こそっと雰囲気をうかがって、ぼっちも許される店を探そうと思ったのに、大誤算…!「だが、しかし、ここは銀座。大人達の街…こんなことで動揺を見せてはいけない!」と焦る、私。
_(:3 」∠)_
結局、暖簾の中には入れず、中央にあるオープンカウンターの店へ。「なんで30歳も過ぎて、こんなことでドギマギしてるんだろう…」とプチ自己嫌悪。隣の人が「いろんな店からちょっとずつ選んで食べれるような感じかと思ったら、普通のお店なんだね~」と連れの人と話していて、思わず「ですよね?!」と心の中で相槌を打った。
あのぅ…私、豊洲のタワーマンションには住んでいませんが、女性30代、年収は上位15%には入ってるんですが…
【結論】
銀座が私を呼んでない
商業視察4 「マロニエゲート銀座2」
商業施設の空間づくりをしている方に、「最近、注目の店はどこですか?」とお聞きしたところ、「マロニエゲート2」とのお答えだったので、行ってみた。
モンブランの美味しいアンジェリーナも、無事(?)再出店していたが、注目はそこではなく…地下2階フロアである。
アパレルやコスメといった外側の美しさではなく、運動や整体で体を整えたり、食事に気を使ったり…といった、インナービューティーの流行を受けたフロアとなっている。
ヨガのウェアを中心に、サプリメントや、オーガニックジェラートなどの飲食が並ぶ。
フロアの真ん中あたりには、ちょっと休憩できるスペースがある。この休憩スペース、初めて見たときは、「あまりにも色気がないな〜」と思った。しかし、日々通ってもらうことを考えたら、これくらいのユル〜さが丁度いいのかもしれない。気合いを入れないと行けないオシャレ空間よりも、いつ行っても良いと思えるハードルの低さ。SCは、目的を持って行く場というより、なんとなく・気軽に行く場なのだ。
MDとしては思い切った店づくりなのだと思う。しかし、私がヨガ女子だったとしても、日々通うだろうか…そんなにウェアを買うだろうか…?という気持ちになる。例えば、日々の健康チェックが気軽にできるなど、もう少し通う動機づけのあるフロアづくりでもいいのではないか、と感じた。