モノが売れないと言われる時代に消費を研究している人のブログ

広告会社で、消費について研究するサラリーマン研究員のブログです。専門は駅の消費です。

< >の次に来るもの

次に来るもの、と題してみたものの…一体、今、何が来ているのか知らない。だが、あえて言いたい。「次に来るのは国学ブーム!」と。

 

歴女、刀剣女子といった戦国もの…

民芸…

篤姫龍馬伝坂の上の雲

歴史的なもの、日本的なものにここ数年目が向いていると思う。ただ、これまでの注目のされ方は「日本もまだまだやるじゃん!」「日本てやっぱりスゲー」という関心だったのではないか。しかし、成長への望みも限界を迎えているようにも思う。すると、もっと割り切った上で、日本のアイデンティティを模索するようになるのではないだろうか。(イタリア、ドイツも日本より早く人口減少の傾向が現れ、人々の関心が国内や、暮らし方、さらには生き方に向いているようである。) 「日本人とは」という精神性を求めて、さらに歴史を遡り国学を探求するのではないか。ちょうど2020に東京五輪という契機があって、「日本とは」を問われるわけだし。

 

国学について気になってきた方には下記がおすすめ。日本の神は生成するだけでなく、死とも密接。生と繁栄とを望めないこれからの日本は、失い方、失った後のあり方を国学に参照するのではないか。

企画展「いのちの交歓-残酷なロマンティスム-」 | 國學院大學博物館 考古と神道で知る日本の文化・歴史(国学院大学博物館)縄文 土偶 埴輪 土器 神社 宗教 東京 渋谷 無料 Japanese tokyo shibuya Culture History Museum Archaeology jomon dogu haniwa Shinto Shrine religion Kokugakuin University Japan Tokyo free of charge

 

この世界の片隅に』も流行りましたが、同じ作者の下記も来る! …かもしれない。古事記はまさに、いきなりイザナミさんが亡くなるし。

こうの史代【ぼおるぺん古事記】

 

さらに「お祭り女子」も来る! …かもしれない。神輿を担ぐといったハレな行為でもなく、いわゆる「スピリチュアル」でもなく、真剣に儀式の精神に迫る女子が増える!…かもしれない。ちなみに私は、大根を拝んでいるようにしか見えない能登の奇祭が気になって仕方ないです。

あえのこと/ほっと石川旅ねっと

 

改めてマガハが凄いと思った話

「OLD FASHIONED」なるマーケットイベントに行ってきた。学芸大学にあるグロッサリー「FOOD&COMPANY」の内装を手掛けた設計事務所「スタジオドーナツ」が仲間を誘って開催したという。

casabrutus.com

 

「FOOD&COMPANY」には何回か行っているが、関東近郊の甘いミカンやら国産ワインやら美味しいものが売っているので、なんとなく好きなお店。つまりは、今回のマーケットイベントも期待できるのでは…ということで行ってみた。

(「FOOD&COMPANY」は下記が詳しい。私が行ってみた直接のきっかけも下記。)

www.ifs.co.jp

 

2万円分の雑貨を衝動買いし、結果的に満足度は高かった。が、こういったクリエイター系マーケットで気になる、「あ、どーもー」「来てくれてありがとー」といった雰囲気が今回もあった。なぜクリエイター系のマーケットは内輪感が強くなるのだろうか。一方で、内輪感が強いものの、孤高とは別物で、雑誌ブルータスで紹介されるような大衆化されたものにもなっている。(一緒に行った友人曰く「何でもライトにしちゃえるマガハはやっぱすげー」) 思うに、今やいわゆるファッションは一部の好意層=ファッションオタのものになったように、実は、クリエイター系=ていねいな暮らし系も一部のオタクのものなのではないか。

 

ちなみにかく言う私はていねいに暮らせない系です。

キリン「生茶」のお茶ミュージアム「お茶のいろは by Namacha」

キリン生茶のやっているミュージアムに行ってみた。

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「お茶のいろは by Namacha」オープン|2017年|ニュースリリース|キリン

 

まず始めに、同じ茶葉から淹れた2種のお茶をいただく。最初に、相対的な比較ができるのはわかりやすい。スタッフより「どちらがお好きですか?」とアンケートをとられた。(たぶんここでは「甘味のあるお茶が好き」が正解なんだろうけど、私は苦味と答えました。暑いときは苦いものが美味しいから、さ…仕方なかった…)

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二階はお茶の製法などの展示になっている。でもせっかくなら、実際に作業をやってみられるなど、工程を体感できるようにしたほうがよかった。「アニメーションだけなら、ウェブで見ればいいのでは…」リアルな場にわざわざ来ているのだから、お茶を揉むとどうなるのか、などを体験したかった…

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最後は日本茶インストラクターに淹れ方のレクチャーをしてもらう。やはり人に説明してもらうのが一番わかりやすいし、面白い。

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甘味のあるお茶、苦味のあるお茶のそれぞれに最適なお菓子も出してもらえる。ナルホド、食べ合わせも重要だと感心したが、なんとこれはここでは食べられない。お土産として持って帰るのである。お客さんを回転させるためにはやむを得なかったのだろうけど、ちょっと寂しい…(´-`).。oO

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とはいえ、お茶の違いも再認識し、(私は中学の家庭科で習ったのを覚えていたが、同行者は初耳らしく感心していた)美味しいお土産も貰えて、800円(入場料)。「日本茶インストラクターなんて資格があるのね〜」などという小ネタも仕入れられ、なかなか良かった体験かと思う。生茶も、単なるお茶から、淹れ方の違うお茶という意味のあるものにもしっかりなった。(が、今後買うか?と聞かれたら「そうでもない…」のがマーケティングの難しさ)

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ディスカウントストアの謎肉

よく行く肉丼屋(ステーキやローストビーフのどんぶりの店。肉が食べたいけど、さっと帰りたいなという気分のときに丁度いい。)があるのだが、一杯1000円くらいで食べられる。そこに載っている肉が結構な量で、スーパーで買ったら600円くらいしてしまいそうな量なのだ。さらに、そこに店の家賃、スタッフの人件費、光熱費などもかかっている。ということは、肉の原価はもっとずっと安いはず…はて、これは果たして本当に牛肉なのか??と、安すぎて心配になる。

 

…と思っていたが、さらに上には上がいた。

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もうこれは謎肉といっても過言ではないのでは。。。

サードウェーブ系男子とクラフトマンシップ男の共通点

CONTEXTという雑誌を見た。

 

タグラインは「Living With A Story」。モノのカタログとしての雑誌は、今日日ウケない。(よく聞く、「きょうび」ってこんな漢字なのか…!) ので、ストーリーを売る、ということなのだろう。そのあたりは、ほぼ日とも銀座のロフトとも同じ。モノだけではなく、その由来やまつわる話に興味をもってもらって買ってもらう。この雑誌はなかでも、男性版ていねいな暮らしともいえる、クラフトマンシップ的なものを扱っている。

 

が、ヒップスターやサードウェーブ系男子が笑いのネタとなるように、クラフトマンシップもある種の笑いのネタとなる。

p.4 発刊にあたり

「これは男の雑誌である。/男は生き方を持っている。(中略)/男は道具を使う。/男は道具を大事にする。/そして男は、永遠に子どもだ。(後略)」

 

で、巻頭特集が、「男と斧」である。

斧って・・・。

 

 

30代前半の私が打ちのめされた若者の価値観

20代前半の子達に話を聞いていて、驚いたこと。

 

その1

若者「洋服は旅行に行く前に買います」

私「なんで? やっぱり服でリゾート気分を演出するの?」

若者「だって、旅行先で写真撮るじゃないですか〜インスタにアップしたときに同じ服ばかりだったら恥ずかしいですもん」

私「…!」

 

その2

私「買い物っていつ行くの?」

若者「遊びに行ったついでに店があれば、何か買うこともありますけど…そもそも『買い物に行く』っていう文化はありません。」

私「…!!」

 

その3

私「服を買いたくなるときってどんなとき?」

若者「そうですねー、服無いなーって時ですかね。」

私「どういう時が無い時なの?」

若者「んー。もうこの服、みんなの前で2、3回着たかなって時ですね。会社の人に同じ服を着てるの2、3回見られたら、限界キテるって思います。」

私「…!!!」

 

びっくりの3HITコンボでした。

都市の居場所3 井のいち

クラフトフェアのひとつだと思うのだが、石神井のほうで開かれた「井のいち」に行ってきた。

 

新緑の石神井公園は気持ちいい。緑が眩しく、木漏れ日が心地よい…

「こんな緑豊かな場が、家近(イエチカ)にあったら毎朝散歩しちゃうな~」と鼻歌交じりに木立の中を歩いていくと…

「!」

 

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突然、林の中に、人の群れ…

「これが世に聞く"おしゃピク"か…(注:おしゃれピクニックの意)」

メディアで騒がれてるだけなのかと思っていたが、実際、こんなに"おしゃピク"人口がいるとは…。石神井でこれなのだから、代々木公園や世田谷ならもっと多いのかもしれない。

 

会場手前から既に圧倒されたが、会場内に入って…

「!」

 

「こんなに麦わら帽子被ってる画が撮れるとは…」

驚くほど集まってる人のテイストが揃っている。クウネル系とでもいうのだろうか…

麦わら帽子率が異様に高い。

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「クラフト」「ていねいな暮らし」にピンと来た人のコミュニティができていた。

社会学的にいうと、コミュニティではなく、アソシエーションと呼ぶのかもしれないが)

 

さらに、これは子育て中の人の「息抜きの場」ともなっていたのかもしれない。毎日、家事と育児との現実に追われる中で「ちょっと理想の暮らし」を垣間見れる瞬間になっていたのではないだろうか。こういう時間が、そこかしこにあれば、子育て中の人もちょっと救われる気がする。(という私は子育てをしたことがない。)

 

ところで、

ここでは「井のいち文庫」というブックシェアが行われていた。ブックシェアはゆるいコミュニティをつくる良い仕掛けだと思う。本の趣味でどんな人が街にいるのかも把握できる。そして思いがけない出合いをつくる。

「いいね!」

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