ナポリ…ではなく、リサイクルの現場を見てから死ね
ナカダイという、主にB2Bでリユース・リサイクルを行っている会社がある。(正確な内容はURLをご参照ください↓ )
その会社の主催する「産廃サミット」なるものに行ってみた。
場所はナカダイの工場のある群馬県前橋。
日頃、路線図を眺めながら「きっと人生で一度も両毛線に乗ることはないだろうなあ…」とか、「新海誠の秒速5センチメートルにも出てきたけど、一体どこを走ってるんだろう…」等と思っていたのだが。
まさか、その両毛線に乗る日が来ようとは…。
(ちなみに、両毛線に乗ろうとしたら発車時刻前なのにドアが閉まっていて焦りました。なんと、両毛線は、ドアの開閉が押しボタン式の電車。関東にもそんな電車が走ってるのだと驚きました。本日は割と寒かったので、開閉式なのが大変ありがたかった…)
ナカダイの行っているのは、産業廃棄物を引き取って、「素材」や燃料を作ること。
金属片を引き取って、下記のような再利用しやすい素材に加工したり…
生産や流通で出てくるプラスチックなどのゴミ、余剰生産分を燃料にしたり…
一部、粗大ゴミなども集め…
使える部分は、こんな形で燃料に加工するそうだ。
ナカダイのリサイクルは大変質が良いそうで、純度の高い素材を作っているそうだ。
その質の高さを叶えているのが、人の作業。
工程を聞いて、驚いた。
例えば、椅子をリサイクルするのに、ネジとスチールの脚と、座面のスポンジと、フレームのプラスチックと…というように全ての部材を種類ごとに分解するそうなのだ。
また、燃料に加工する際に、出荷先に合わせて調合・配分を変えることもあるそうだ。(あえて純度を低くして、高温になり過ぎない燃料を作ったり)
廃棄物をここまで丁寧にリサイクルできるものなのかと感心する一方で、
はて?
廃棄物を回収するのに運搬して、人の手を使って丁寧に分別して、素材にして、また出荷して…
どれだけの手間暇がかかってるのだろう?
おそらくだが、同質の廃棄物を大量に集めるのも難しいし、
一定量が揃うまで保管したり…といった、
他にも様々な手間がかかっていると思われるのだ。
そして、企業はそういったコストを払いながら製品をつくり、
生活者もそうしたコストを払って製品を使っている。
はて?
途方も無い無駄では…?
もちろん、現在の便利な生活はそうした無駄の上に成り立っていると思うのだが、現場を目の当たりにすると、その無駄さ加減に絶句した… 今までペットボトルの蓋を外さずに捨てていてすみませんでした…
ナカダイは、美術大学のデザイン科や、企業に「捨てるデザイン」のレクチャーを行ってもいるそうだ。考えてみれば、デザインや開発、生産の段階で、廃棄分の少ないデザインや分解のしやすいデザインにしておけば一番いい。
(思えば、先日、クーラーが壊れたので修理を依頼したら、来てくれた技術者の人がウンウン唸りながら部品を外そうとして、割ってしまったことがあった。メーカー技術者の人ですら分解不可能、修理不可能なデザインって何なんだろうか…とその時も思った)