モノが売れないと言われる時代に消費を研究している人のブログ

広告会社で、消費について研究するサラリーマン研究員のブログです。専門は駅の消費です。

Geek thinking 続オタクについて

オタクにはいろいろな特徴があると思うが、最も大きな特徴として創作者としての側面が挙げられる。彼らは単なる消費者に留まらず、自身も創作者として二次創作を行うのである。その特徴が、作品世界への没入と作品世界を通じたコミュニティ形成という、皆が想像するオタクっぽさにつながっていくわけである。この創作を原点とするオタクの特徴を考えたとき、あるワードが頭に浮かんだ。「小商い」である。いまのマーケットを俯瞰すると、マスではなく、「小商い」と呼ばれる小資本活動に注目が集まっているが、その活動はオタク活動そのものではないか。コーヒーオタクの店主が作る世界観と、そこに群がるファンコミュニティ、ちょっと排他的な感じがするところも似ている。そして、最も注目すべきが小商い的なものが、副業や生き甲斐という文脈の中で、非常に肯定的に捉えられ、誰もちょっとやってみようかなと思っている昨今の状況である。皆がオタク的なプロシューマ―に“なっている”とは思わないが、皆がオタク的なプロシューマ―に“なろう”としている、憧れているのは確かであろう。であるならば、好きをこじらせるチカラ、すなわち「オタク力」というのは誰もが憧れるチカラであり、そのチカラを向上させる方法論や考え方は売れるということである。もしかすると、次のビジネス誌のトレンドワードはオタクシンキング、かっこよく書くとGeek thinkingというメソドロジーかもしれない。どっかに持ち込んでみようかなと、副業に憧れる自分は思うのである。