モノが売れないと言われる時代に消費を研究している人のブログ

広告会社で、消費について研究するサラリーマン研究員のブログです。専門は駅の消費です。

猫も杓子もコミュニティ

企画書を開けばあっちもコミュニティ、こっちもコミュニティ。

コミュニティという文字を見ない日はない、というのは少々盛り気味だが、商業施設も文化施設もPR施設も、コミュニティづくりを謳った企画が花盛りなのは間違いない。

 

コミュニティって何だろう?ちょっと考えてみた。

 

コミュニティとは準拠集団のことであり、その集団の構成員の準拠度の総和がある閾値を超えたときにコミュニティ状態が発現しそうである。とはいえ、個々人の準拠度が低くとも人数が多ければコミュニティかというと、そうでもなさそうなので、集団の大きさを考慮に入れて、xを各人の準拠度とする、 Σx/nという数式を考察してみた。集団の準拠度の平均を取ったものである。この平均値が“ある値”を超えたときにコミュニティが発現すると考える。

 

この数式が正しいものとすると、コミュニティには二つがある

 

  1. 構成員の多くが高い準拠度を持った集団
  2. 構成員の一部が高い準拠度を持った小集団

 

注目すべきは2ではないだろうか。熱い想いを持つ人は少なくても、集団が小さければコミュニティは発現するということである。これは肌感覚とも合う。

例えばスタバとかの大手コーヒーチェーンは、利用したことのある人、日常的に利用する人の数は多く、集団サイズはとても大きい。おそらく、強いファンの人も多いが、集団サイズがあまりに大きいので、コミュニティを感じない。

一方で、近場のコーヒー屋は幾人かの常連がいるだけだが、そもそも利用客数が少ないので、コミュニティ感を感じるのである。

 

施設づくりにこの考えを当てはめてみるとすると、コミュニティ作りの第一歩は、そこでの従業員が、その場所なりブランドに強く愛着を持っていることだろう。そして、彼らの愛着が表出されていることで、コミュニティ感が形成されると考えられる。

 

ここでの説は全く未検証であって、かなりの思い込みを含んでいるが、この論がコミュニティを形成することを期待してアップしてみる。